たまごでもひよこでもなく
妊娠が確定し、真っ先に買った本。
それはたまごでもひよこでもなく
サイエンス
ヒトの発生学
受精卵からヒトへ
です。
シビれますね。この骨太さ。
受精から着床までの流れがイメージ図で描かれている傑作です。
旦那様に見せたところ
オカシクナイ?
と、至極真っ当な返事が返ってきました。
そんなの面白くない。
今まで、排出されるだけしかなかった卵が、奇跡的な確率で受精卵となり着床する。そう、ここからヒト(カタカナがポイント)になろうとしているんだよ。
そしたら、その過程をつぶさに知り、この知識を元に体感するのはとても重要じゃないかと。
はい。その後ちゃんとたまごの本は買いました。
でも、子供が大きくなったらちゃんとこの本を見せて性教育しようと思っています。
クシュんとひと漏れ。
妊婦さんあるあるマイナートラブル。
くしゃみを止めれない。
ほら、くしゃん、ってした瞬間に、うっって力を入れると赤ちゃん出てくるから(そんな簡単には出てきませんが)くしゃみが出そうになったら
はくしょーんってばら撒かないといけない。
そしてそんな時に一緒におしっこも少し出てきてしまうのです。
なんという事でしょう、まだ若いのに、尿もれケアが必要なんて。
と、思っていたら妊婦さんあるあるらしく、それを知った瞬間からしっかり諦めました。
うん、それならしょうがない。
ちょっとお高めですが、専用のライナーも買い気にしないことに。
たまたまある時、くしゃみをした瞬間に御局様から、
くしゃみをすると、その後私ぐらいになるとあるんだよなぇ。
と言ってきたので、
私も。もう諦めましたけどね。
と言うと、びっくりした様子で
最初の頃はすごくがったりしたのよー、とかなんとか。
確かにショックを受けるような気もするけれど、この手のマイナートラブルはとても多いような気がします。
和式便所が使えない(お腹が大きくてしゃがめない)
夜中もおしっこで何度も目がさめる
胎児に体の内部から攻撃され、胃液が逆流
胎動が激しすぎて夜眠れない
アイスクリームを食べると、体が本当に寒くなりすぎてガクガクする(6ヶ月ぐらい)
胸元が開いた服なんて、寒くて着ていられない。
基本的に食べ物全てに規制がかかる
つわりが辛いのはいろんなメディアに出ているので、理解があるとおもうんですが、その他の様々な事象については、周りに妊婦さんがいないと分からないことだらけですよね。
妊婦だから、そんなもんでしょと言われるでしょうが、いやいや。それを乗り越えてくれたからこその今の自分が生きている。
こういう事に出会うたびに、世の中のお母さんはみんな凄いなぁ、とつくづくおもうのです。
可愛い質問
妊娠中に中学二年生の女の子から質問されました。
お医者さんって男の人もいるの?
えー。いるよー。
と答えると、マジで。私無理なんだけど。と大騒ぎ。
確かに、産婦人科なんて、相当なことがない限り中学生はいかないですよね。
たまに、生理痛がひどい子なんかが相談に行くことはありますけどね。
ただ、今の子供は自分の時と比べても格段に情報量が違いすぎます。
オマセさん、で済まされないレベルです。
大概の小学生向けの漫画ですら、チューは途中経過。
況んやその先をや。
中1男子に、凄まじい下ネタを披露されたこともあります。
もっと、恥ずかしいという概念を叩き込みたくなります。
あのねー、下ネタを公共の場所で堂々と喋ってるのって、露出狂のおじさんがコートガバッと広げてるようなもんだよー。
っていったら
じゃ、俺らみんな露出狂です!
って返されたこともあったなぁ。
まあ、男の子はそんなもんですかね。
まぁ、でも女の子には出来るだけ
赤ちゃんかわいー、だけじゃないことを話したいなぁと、よく思いました。
妊婦さんっていうだけで、たくさんの子供がわらわらと群がってきてお腹を触りたがります。
動くのー?とか。
私自身が歩く性教育。
出来るだけ、お腹を触らせてあげたり、たまにどさくさに紛れて、
おっぱいおっきーい。
とか言いながら触る子もいますが、
概ね、女性の、体の変化に対して好奇心を抑えきれない感じでした。
いずれ君達もこうなるんだよ。
と、いうと、想像できなーい。とかなんとか。
でも、触る、見る、っていうのは理解する上で一番の教材だなぁと思います。
子供によく話をしたのが、妊娠すると自分の足の爪が切れなくなるということ。
だから女の子は、自分の爪を切ってくれる優しい旦那さんを見つけなさい。
だから男の子は、爪を切ってあげたくなるような人と結婚しなさい。
そういうと、女の子だけではなく、男の子も当事者意識を持ちます。(ちょっとだけですけどね。)
人生において、エッチはほんの一瞬ですが、育児は少なくとも20年。結婚は残りの人生全て。
だからこそ、思春期の頃に目を逸らさずにこういうネタに向き合う事も大事かなぁ、と思います。
嘘の代償
お母さんに嘘つきました。
もちろんあれです。赤ちゃんの嚢胞についてです。
生まれてくる待望の孫の体に、正体不明の黒い丸があるなんて、知ってしまったら夜も眠れなくなってしまいます。
ただ、どうやって転院したことを告げようか、それが問題でした。
普通の病院から、総合病院に転院だなんて、普通じゃないですよね。
なので、なにか良いいい訳がないかな、と思っていたら、妊婦検診の中の問診で
35歳以上で
かつ
家族の中で糖尿病患者がいる
でなんと検査の必要があると言うことが発覚!
ラッキー(?!)
この状況を活かさない手はない。
と言うことで、高齢出産兼糖尿病患者のリスクと言うことで、転院したと話をしました。
わりかしお母さんを騙せた手応えはあり、その代わりお父さんには悪者になってもらいました。
実際の検査では空腹で病院へ行き、炭酸一本飲んだ後に時間差で4回血を抜かれると言うもの。
検査結果には問題はなかったものの、かなりフラフラになりながらこなすことになりました。
しかし元々低血圧。
44/88というダブルスコアを叩き出すほどの実力はあるので、糖尿とか高血圧とか他人事だと思ってました。
しかし出産時にまさか、それが自分に降りかかるとは…
全く思いもよりませんでした。
MRIの中
人生初のMRIを体験しました。
もちろん、おなかの赤ちゃんの嚢胞をみるためです。
強い磁気で断面図を撮影するらしいけれども、原理はもちろん分かりません。
ただ、注意書きにアートタトゥが反応するとか、化粧の粉に含まれる金属成分が危ないとか。
読めば読むほど、自分の体内に何かしらの金属片があったら、MRIに入ったら機械に反応して腹から飛び出すんじゃ無いかと、そんな変なことばかり考えていました。
注意書きのなかに、
閉所恐怖症でないこと、と書かれていて
また、押入れに入るのが好きだった自分はなんの問題もないだろう、とおもっていました。
ところが実際には、半円状の狭い筒の中、ヘッドホンをして、手には緊急用のボタンをもって入っていくんですが、とにかく圧迫感が物凄い。
白い機械で、視界にはパステルカラーの柔らかい光が見えるんですが、目の前に白い壁が迫って来ていて、
確かにこれなら閉所恐怖症の人にとってパニックになるなぁと思いました。
思わず棺桶を連想したほどに。
もちろん、なんの痛いこともなく、ヘッドホン越しに聞こえる指示に合わせて息を吸ったり吐いたり。
まあ、それだけだったんですが、なんとも言えない心理的な圧迫感を感じました。
ただ、後になって見せてもらったMRI画像では、とても鮮明に赤ちゃんがおなかに入ってる様子が写っていました。
エコーとはまた違う人体の不思議に触れることができました。
妊婦検診の楽しみ
毎月一回の妊婦検診は、仕事をしながらの妊婦さんにとって一つの楽しみです。
最初の病院では、4Dで動画を残すという素晴らしいサービスをしてくれるところだったんですが、転院の為3回分のエコームービーで終了しました。(この動画は携帯版に編集して家族に送ると非常に喜ばれました。)
転院後の妊婦検診では、もちろん通常の胎児の成長の確認が基本なんですが、検査技師さんはとにかくおなかの嚢胞をチェックします。
サイズは2cmぐらいの嚢胞。
何枚も何枚もエコー写真を撮りますが、全て嚢胞。
最後の方では4Dで嚢胞を見せてくれることもありました。
この紡錘型の黒い丸。
技師さんの話を聞きながら、素人ながらにインターネットで検索をし、学会論文を拾いました。
わからないわからない、と言いながらもなんとなく行き着く病名がありました。
ただ、読めば読むほど書かれているパーセントに暗い暗い気持ちになることはあっても、どこかで楽観的な気持ちがありました。
だって、これだけ見えてるんだから、UFOキャッチャーみたいにウイーンって取れるんじゃないかって。
無知だからこそ、明るくいられたような気がします。
ただ、残念だったのがエコー写真に関して嚢胞に関しては360度あらゆる角度から最新機器を使って調べて貰いましたが、3ヶ月の検査の間肝心の胎児の顔に関しては鼻の穴の形と耳の形しか分からなかったということです。
やっぱりねえ、みたかったですよ顔。
唯一の楽しみが嚢胞だなんて。
まあ、それでも目で見て確認できるエコーは日々の成長を感じられる時間でしたよ。
黒い丸の正体
結局、病院を移ってからも赤ちゃんがおなかの中にいる以上、正確なことはわからないということでした。
それはそうだなぁ、と思いつつこのことを親に説明すべきかどうか、で悩みました。
もちろん、いずれは分かること。ただ、今は何もできないのに心配をかけるのはどうか、という事で出産直前まで秘密にすることになりました。
この判断は、今考えても正しかったと思っています。
まず
私が高齢出産であると同時に、私の両親も高齢だということ。
待望の初孫。
両親とも医療関係者で、中途半端な情報で調べることが予想される。
遠方に住んでいて、こちらの状況が正確には伝わらない。
ということが理由でした。
もちろん、赤ちゃん元気?
なんてのに
元気だよー、
と、返せるほど私自身も能天気ではいれませんでしたが、嘘をついてでも初孫にウキウキする母であって欲しいとおもったのです。
そのための必要な嘘だったと思っています。