家族への告知
ということで、怒涛の出産、娘の入院となり私の身柄は娘とセットで個室に詰め込まれました。
予想していたこととはいえ、事前に家族への娘の病気について話ができていて良かったとおもいました。とてもじゃないけれど、こんな状態・状況で家族のケアまでやってられない。
けれど、事前にと言っても出産一ヶ月前に私の父親と主人の両親に話をし、母親には一週間前に具体的な病名を告げました。
何しろ、遠方に住んでいるとともに高齢かつ、うつ病とはっきり言って母親本人が病院が必要な状況。
母親は、生まれたらすぐにこちらに来て、私と孫のお世話をする気満々でした。
もちろんそんなことは夢のまた夢。来てもらっても、面会の制限がかかっている上、家には主人しかいない。
そんな状況を理解してもらうために、いろいろ根回しをしました。
たくさんのもしも、の話をし、すぐには来れない可能性が高いよ、と事前に伝えていました。
しかし、病気の話をした時も、電話越しだったためちゃんと伝わったかわからず、その後何度も何度も説明することになりました。
おそらく、家族の「病気への理解」がとても治療に向かうために必要だし、とても難しいと感じました。
どんな病気なのか
一万人に一人の確率がまさか自分の孫に
手術なんて生まれたばかりで危険じゃないか
なんで会うことができないんだ
母親からぶつけられるたくさんの「なぜ」は、自分たちですら娘の病気に対して納得していない中ものすごいストレスになりました。
電話するのが嫌になりましたが、それでも母も母で体調が悪く苦しんでいる。孫が楽しみで、それを支えにして頑張ってきていた。解ってる、だけど、聞きたくない。
母の口から聞こえてくる言葉は、どれも不吉なものでした。
わからない不安がそのまま言葉になっていました。
私もついつい、辛い口調で当たってしまいます。
しょうがないんだから、を何度も繰り返しました。
同じ目線で、娘の未来の話ができるようになるまで、本当に時間がかかりました。
たまたま、病院のラウンジで居合わせた女性(お母さん)が電話で話している内容が聞こえました
女性「今回の手術で輸血したの」
相手「…」
女性「しょうがないじゃない、するしかなかったんだから」
相手「…」
女性「私だって、そう思うけど、必要だったんだよ?」
悲痛な声。ものすごくその時の女性の気持ちが自分の経験と心が重なり苦しくなりました。
病気を抱えた子供をもつ親は、果たして無力だということを強く知らされます。
子供の体に何度もレントゲンを浴びさせ、注射をし、嫌がるたびに内出血が増えていく。
できることといえば、患部を優しく撫でるだけ。抱きしめ、瞳を覗き込み、自分は涙を流さないように我が子が安心するよう微笑みを浮かべることしかできない。
だからこそ、肉親からの「なぜ」は本当に心に刺さります。
分かって欲しい、「何かできることはない?」と寄り添って欲しい。質問はやめて。
だって、私が病気に対して二番目に質問したいんだから。そう一番質問してもいいのは我が子自身。
もし、病気になってしまったお子さんの母親がそばにいたら、
「どんなことがあなたの助けになりますか?」
と聞いてください。きっとその言葉が最初の「理解」につながっていくとおもいます。
今、私は母と良好な関係でいられてとても幸せです。
母を含めた家族全員で協力できていることをかんじています。
さあ、今日も頑張れる。