フォトジェニックな入院生活

赤ちゃんができたら、かわいいお姫様(王子様)の写真を撮りたい。

おそらく、ほとんどの夢見がちなお母さんたちはそう思うに違いありません。

白いフリルに、花柄模様、タータンチェックにお星様。

そこに広がるのは、マザーグースかアリスインワンダーランド…。

きっと、キャサリン妃が使っていたお包みを見てG.H.HURT&SONのおくるみを買った人もいたのではないでしょうか。

もちろん、入院中でも、チューブがついていてもそんな母の思いは揺るがない。

微動だにしませんことよ。

 

もちろん、どんなに角度を凝らしても、鼻を通過しているチューブや、腕の固定器を隠すことなんてできません。

けれど、写真を撮らないなんてことはない、のです。

もちろん、他人が見たらそんな写真は「なんてかわいそうな」なんて思うのかもしれません。

でも、

入院中の痛々しい写真は思い出に残したくないから何もない、ではなく

入院中も、お母さんが親バカをかまして変な写真を山ほど撮っていた。

の方が

我が子が反抗期を迎えて、捨て台詞に

「お母さんのバカ!!!」

なんて言っても

写真なし:病気の私を産まなきゃよかったって思っているでしょ。

写真あり:病気なのにこんな変な写真ばっかり撮って恥ずかしい。

ぐらいの違いが出るのではないかと、妄想しています。

(単に、好きで変な写真を撮っている言い訳だという指摘はしないでください。)

ということで、どんな変な写真でも、意外と布の力を使うとフォトジェニックな感じに仕上がります。

おすすめは、エイデンアンドアネイのおくるみです。

 

 このお包み。柄が可愛かったので4種類購入しましたが、ガーゼ生地でとても使いやすい。

もちろん、我が子を包んでタラコを作ったり、バスタオルで寝床を作った後、こうのとりのように結んでみたり(両方とも撮影済み)。

さらには、車に乗せる時に日よけ代わりに車の上の手すりに結びつけたり、ちょっとした掛け布団にしたり、ピクニックの時にはひざ掛けやシートの代わり、さらには旦那様の掛け布団へと変幻自在。

病室であっても、全く悲壮感や生活感も出ないし、洗濯してシワシワになっても

「あら、優しい風合いね。」

なんて感じになります。

病院の洗濯乾燥機で一度にまとめ洗いをしないといけなくて、いろんな物がシワシワになっても、このガーゼだけはセレブ感たっぷり。

使い始めて半年以上経つものの、ほとんど色落ちしていないところもお気に入り。

 

他にも、授乳時間を書くために買った100円均のホワイトボードは、黒赤青のペンを使ってイラストを描いていました。

◯ヶ月とか描くと、それを見た看護士さんがおめでとうと言ってくれるので、それはそれで嬉しかったですね。

少ないおもちゃと、彩りのない病室。

けれど、心は王様です。🌞

ただ一枚、後できっと怒られるだろうなという一枚は、赤ちゃん用の病衣をうさぎさんに見立てて、袖の部分を上に伸ばして胸のあたりから顔を出した状態を撮影したんですが、今振り返ってみても(その撮影したその時も)思ったんですが、

 

あ…、ジャミラだ。

 

 

ごめん。反抗期になったら、この写真でグレるかもしれない。

「お母さんの、バカ!!!」

なんてフォトジェニック。

 

 

断乳後の、母乳が出ない

我が子の手術期間中、授乳する機会がなくなりました。

というか、そもそもそんなに母乳が出ていなかったわたし。

左右合わせて70cc。

あれ?

母乳って、普通に出てくるイメージがあったんですが。

もちろん、母親教室でもらった資料を熟読し、出産直前には少しずつ母乳マッサージをしていました。

マッサージしすぎて、子宮口が開いてもまずいからさ🌝、

なんて余裕をかました発言をしていたんですが

実際、我が子を出産後

さあ、これから母乳を出しますよ、と助産師さんに言われても

はて、さて。乳首から滴もしなければ胸の方も張ってはいるものの、出る?って感じ。

こう、押しつぶす感じで!

なんて言われても、いやいや握りつぶすの?!っと恐怖に怯え、なかなか力一杯握ることができませんでした。

しかし助産師さんは慣れたもの。

片方の胸を掴むと、乳頭の状態を確認して満足そうに頷き、マッサージ開始。

揉んでもらうと、なんとか滲む程度には出たものの、そのあとは自分で助産師さんの前でマッサージをするのはなんとなくまだ気恥ずかしい中でとにかくやってみる。

まあ、出てきたものは黄色い煮汁、じゃなく母乳。

なに?!黄色い。初乳は黄色いという知識がなく、なんかなあ…。と絶句しながらも頑張って絞りました。

それからというもの、授乳をしながらなんとか出るようにマッサージを続けていましたが、、胸に青タンや黄色ののあとが広がるばかりで、母乳がガンガン出ているイメージが得られない。

そんな中、手術のために断乳をすることに。

もちろん、その間搾乳器を用意して母乳を吸い取っていたんですが

断乳が始まって最初の方は70ccぐらい出ていたんですが、だんだん出なくなっていき

手術明けには30ccを出せるのがやっとになっていました。

これは本当に困りました。

搾乳した母乳を、共有の冷凍庫に入れると、そこには他のお母様の100ccぐらい入った母乳がぎっしり保管されていたりして、思わず自分の出なささに悲しくなりました。

大きいだけで(Dカップ)、その中身は空っぽなのか?

思わず、破廉恥な言葉が頭をよぎります。

授乳が再開で来たあとも、なんとか飲ませようとしましたが、我が子が20分一生懸命吸ってくれても、母乳がなかなか応えてくれず、授乳後に体重測定しても20gしか増えていない。

こんなに苦労しているのに、なぜ…。

なので、母乳が出るようにたくさんデンプン質を取るようにご飯やお餅をせっせと食べるようにしたのです。

それがまさかの、産後の体重増加につながるとは…。

 

魔の断乳。

あれじゃないです。卒乳的な断乳ではなく、手術のための断乳です。

帝王切開をするママなんかも、事前に分かっている場合は食事をストップし水分も制限されますが、もちろん我が子も対象者。

生まれて間もないのに、いきなりご飯なし

世の中の赤ちゃんの夜泣きが苦痛?

いえいえ。

そもそも、ミルクをあげれない空腹の泣き声に比べれば、何かできるだけまだマシ。だとその時は強く思いました。

泣いているのに、点滴が付いているため抱っこすらできない。

ただ、ミルク用の乳首を吸わせることしかできない。

この無力感🌚

昼も、夜も関係なく泣いている。

お腹が空いて泣いている。

泣き疲れて寝ている。

身体中にはたくさんの点滴、そして理由もわからず鳴り響くアラーム音。

 

いや、これは心身に刺さりました。

なーんにも、なーんにもできない。

 

こんなにもどうしようもない状況は、辛いなんて言葉で説明できる気がしません。

きっと、いま真っ最中のお母さんたちにとっては、

どうしようもない、本当に。悲しい、とか苦しいとか、もういろんな感情がごちゃまぜになってる感じですよね。

 

せめて、そう、わたしが我が子と、そして交代して一晩中起きてそばについて、乳首をおしゃぶり代わりに加えさせてくれた旦那様のために、とてもいいマスクを作りました。

生まれたばかりの赤ちゃんの場合、おしゃぶりを上手に咥えることなんてできるはずもなく、赤ちゃんをぐるぐる巻きにしたブランケットを使って乳首を上から固定するなんて方法をとっていましたが、

わたしは、手作りのマスクを二重構造にしてそこに哺乳瓶で使っていた乳首をはめ込み、耳にかけるゴムのところを、頭と首を支えるバント状にして(歯科矯正で使うヘッドギアみたいな形状)赤ちゃんのおしゃぶりに合わせて伸び縮みするように作ることができました。

これによって、窒息の危険もなく、しかも我が子は乳首を咥える安心感で泣くこともなくなったのです。

おかげで、二回行った手術の合計約2週間に及ぶ断乳への空腹泣きをほぼ抑えることに成功したのです。

赤ちゃんに泣かれると辛い。

でも、せめて

お腹は空いているかもしれないけれど、

おしゃぶりによる精神安定を与えてあげたい

それを叶えることができました。

自作のマスクなのでかなり改善が必要ですが、手作りマスクの型紙を応用することで作れるので、(作るのに手縫いで6時間ぐらい)もし、いま断乳のために泣いているお子さんがいる方は、ぜひ作ってみてください。とても良いと思いますよ。

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美味しい薬の飲ませ方(赤ちゃん編)

病気を患った我が子。

退院は出来たものの、薬との付き合いがずーっと続くとお悩みのお母様方。

我が子も、入院中から点滴の数が減るたびに薬の種類が増えて行くデススパイラルに巻き込まれていきました。

もちろん、そのおかげでCV(中心静脈カテーテル)を抜くことができたわけで、お薬万歳、なわけです。

(CV:一番心臓に近い静脈に注射しやすいように体の中を管が通っている、想像するだけで恐ろしいもの)

ところが、もちろん世の中そんなに甘いものではなく、薬を飲ませるのがとにかく大変。

何が大変って、

だって、美味しくないんだもん。

プレドニンというステロイド剤だって、直接体に流し込んでいるくせに、口の中が苦くなるという、ブーメランよりもひどい返し技付き。

胆道閉鎖症の我が子は、

ウルソ

パンビタン

ダイフェン

アルファロール

インクレミン

ケイツーシロップ

のラインナップでお薬をいただいます。

看護婦さんには、粉薬はお水で練って口の内側に、って言われたけれど

ダイフェンが苦すぎて、口の内側に塗るなんてさらなる苦行。

シリンジで飲ませると、最後の最後、力の入れすぎで思いっきり薬が口の中に発射され、咳き込む我が子。

やっと辿り着いたのが、サイズば大きいけれど、普通に薬局に売られている(30円)スポイトです。

これなら少しづつお口の中に入れてあげることができる。

ところが、それでも嫌がったのがインクレミン。

鉄剤ということで、シロップ状なんですが

とにかく吐く吐く。

オレンジ色のシロップを吐き出す。

つまり、そもそもまずいからシロップ状なんだ。

これだけは、本当に続けるのが辛かったです。

結局、基準値より0.1数値が下回っていましたが、努力目標ということでなくしてもらいましたが、その分私が鉄剤を飲んで母乳でフォロー(できるといいな)。

ただ、手術をしたり低体重の赤ちゃんには必要らしく、頑張るしかないですよね。

それでも、薬を飲ませる時には歌を歌ったり、リズムをつけながら(ジョースのテーマとか、ダースベイダーのテーマとか)口に少しづつ運んでいくと、最近では、スポイトを噛んで離さないまで❤️に成長。

もちろんプライスレスの母親の笑顔🌚をセットにすることもお忘れなく。

やぱり、薬が美味しくないって知ってるし、飲ませなきゃいけないって必死になっちゃうけど、顔が怖いとさらに嫌がってしまうので、うそっこでもいいので超笑顔であげるのがとても大事かなっと。

上手に飲めたら、めちゃくちゃ褒める。

そして、上手に飲めている様子をビデオにとっておいて、すこし大きくなって薬を嫌がるようになったら、それを見せる予定です。(どれだけ効果がおるかわからないけど)

薬とずっと付き合っていかなければいけないからこそ、それにどう向き合うのか。大事だなあと思います。

 

居心地のいい入院生活

入院して気づいたのが、お医者さんや看護婦さんに対しての贈り物をしないでほしいという表示。

そんな、ワイロ🌝が使えないなんて。

人生の潤滑剤。

感謝の気持ちを伝える、キーアイテム。

古今東西、いや、時代劇の中では必ずと言っていいほど二重底になった漆塗りの菓子箱の下から見える小判の束。

もちろん、そんなに包めるわけではないですよ。

これからいくら手術費用がかかるかわからない、自分の食事すらままならないのに、看護婦さんへの美味しい袖の下なんて用意できるはずもなく。

だからと言って、何にも感謝の気持ちの表現ができないのはそれはそれはつまらない。

けれど、では何が?と言われてまずは病室に来てくれる人の名前を覚えようと心がける。

最近は、いろんな問題があったせいで、看護師さんたちは朝や交代する時など、か必ず名前をいうようになっているようです。

なので、なるだけ名前を覚えたら、すぐに名前を呼んで返すようにしました。

我が子に話しかけながら

 

:◯◯さんが来てくれたよ。

:良かったね、◯◯さんは髪の毛までちゃんと洗ってくれるもんね

:◯◯さんのこと、大好きだもんね。

:◯◯さんが来てくれると、うちの子ニコニコなんですよね。

っと、とにかく愛想を振りまきました。

 

一番最初に仲良くなったのは、掃除のおばさん。

どこでもそうだけれども、内部事情を意外と網羅している隠れキャラ。

世間話風に聞いていくと、いろんな話を聞くことができるのです。

そうやって、一人一人攻略していくと、だんだん身の上話も聴けるようになります。

看護師何年めだとか、出身地、家族構成、お医者さんの好き嫌い。

だから何、というところでもありますが、大きな病院になるほどたくさんの人に関わってもらう場面が多くなり、それに伴い知らない人に我が子を預ける場面が発生してきます。

例えば、沐浴の時にチューブや傷口に水が入らないようにテープで目張りをするんですが、手際がいい人とそうでない人がいた時に後で看護師長さんにはなしをすることができます。

Tチューブから胆汁を抜く時、看護師さんが誤ってこぼすなどした時に、次の担当になった人にそれとなく伝えることができる。

数え上げればきりがないですが、そういう毎日の気がかりをナースコールを使わずに伝えられるようになるんです。

正直なところ、ナースコールを鳴らすのは気が引けます。

さすがに点滴のアラームが鳴り響いている時は何時であっても鳴らしますが、ちょっとした違和感を、その時直接伝えるのはなかなか難しいです。

ましてや、変な話、我が子を人質に取られているようなもの。

気持ちよくいい患者さんとおもわれたいと思うのは当然です。

だから、

20人近くのスタッフの名前をできるだけ早く覚え、良好な関係を作れるように頑張りました。

結果としては、病院の規則をこっそり見逃してもらうことは(一度だけありましたが)有りませんでしたが、閉鎖的な病室の中で唯一のコミュニケーションを取ることができ、私の中で精神的なバランスをとることができました。

憂鬱になりがちな入院生活(介助)に役立ててみてください。

 

 

紙おむつの使い方

病院暮らしが始まって、最初の頃は我が子は赤ちゃん用のポットと呼ばれるベッドに眠っていたため、私自身は子供用のベッドに寝ていました。

日中はそこがお世話用のベットに早変わりです。

しかし、もちろん小児科に居るため、ベットは子供用。155cmの私の身長がぴったり収まるサイズのため、夜に体を伸ばして眠ることができませんでした。

安眠できない中、手術に向けて準備が始まりました。

 

ところで、新生児のお風呂といえば沐浴ですが、体にいろんな謎チューブがついてからは普通に沐浴させることはできません。けれど、新陳代謝が激しい赤ちゃんは清潔に保つために毎日お風呂に入らせなければいけない。

そんな時に活躍するのが、紙おむつだったのです。

体は清拭、お股はシャワーみたいになっているペットボトルでお湯をかけて綺麗にしたんですが、頭を洗う時には紙おむつを頭の下に敷いて上から水をじゃんじゃんかけ始めたのです。

さすが日本の紙おむつ。じゃんじゃん水を吸い取り石鹸をつけた髪を綺麗に洗い上げるまでの吸水率。まさか、メーカーさんもそんな使われ方をするなんて夢にも思わないでしょう。

もし、我が子が熱でお風呂に入れない時も、この方法なら…。

まあ、そんな日は来てほしくないですが。

けれど、産婦人科を出てすぐに小児科に移ったため、新生児の子育てっていうものがいったいどんなものなのか、結局わからないままでした。

我が子の全裸を見たのも、ずいぶん後になってからだったし。

良かったことは、困ったことがあればすぐに看護婦さんに質問できるということ。

おかげで、ホームドクターがそばにいる安心感がありました。

 

母親以上看護師未満

我が子が病気ということがわかり、随分勉強しました。

きっとどのお母さんお父さんもそうでしょう。

病気について、手術について、費用について…、ありとあらゆる情報をネットで検索し、学会資料、論文、怪しげな民間療法までとにかく不安なぶんだけ調べ尽くしたました。

病名を入れて、検索ワードに引っかかるものはブログでもなんでも。

でも、やっぱりわからないのです。

わかったような気もするけれど、お医者さんや看護師さんの処置に対してなにか出来るわけではないのです。

それでも、副作用やリスクについての不安をついつい口にしてしまうのです。

 

私も、何度かお医者さんへの不信感をぶつけてしまったことがありました。

旦那様とも何度もケンカしました。

自分は必死で調べているのに、なんでそういう資料に目を通してくれないのか。

ただ、ある程度調べ尽くして、

もう、手術するしかないんだな。と諦めがついた頃、お医者さんを丸ごと信じる気持ちになりました。

信じなきゃいけないんだと、腹をくくりました。

何を言っても何をしても、娘を助けてくれるのはこの人達なんだと。

すっと、穏やかな気持ちになりました。

夜中の授乳の間に携帯で調べて、暗い未来に泣くこともなくなりました。

何度も考えたもしも、を想像しなくなりました。

ただ、その分看護師さんの処置を学ぶことにしました。

今何をしていて、どんな結果に繋がるのか、どんな意味があってどんな効果が出るのか。

何度もそうやって見ることで、何度か看護師さんのミスを防ぐことができました。

ちょっとした違いだけれども、沐浴の時の手術痕の処置の仕方、tチューブに胆汁を戻す時の位置の違い、点滴のコードやアラーム。

もちろん、それって違うんじゃないですかなんて言わずに、そういう風にするんですか?と聞く感じで。

そうやって、何度かヒヤリとする場面を乗り越えることができました。

母親として出来ることを、最大限。